ベーシックインカムと独身税−あるいはイケメンの踏み台−

先日紹介した(d:id:ColdFire:20100126)BIの試算エントリに対しては、当ブログ主と同じようにBIとは独身税ではないかとの感想を抱いた人がいたらしい。

いくつか「BI(ベーシックインカム)はシングル(独身者)に厳しすぎる制度だ」という意見がありました。「独身税「就業シングルが子沢山のイケメンの踏み切られ台になる」などの意見もありました。


14歳ホームレス中学生。希望は、戦争

上記エントリでは、これに反論して現在の給与は家族を養うように決められた生活給であり、BIの導入によって生活給の意義が失われれば独身者の給与が落ちるのは当然だ、というロジックが展開されている。


当ブログ主は、上記のBIの導入による生活給云々という反論は筋が悪く(BIの導入によって、仮に生活給の意味が失われるのなら、独身だろうがなかろうが給与が安くなってもかまわないとするのが筋の通った論理だろう。これは独身者のみに負担を求めるための論理ではなく、むしろ所帯持ちの給与を削減するための論理である。逆に給与に生活給の意味があるからこそ、それが少なくてすむ独身者の給与は少なくて良いという議論ができるのである)、独身者は養う家族がいないのだから高給は不要であって、そのぶんは他の人に回すべきではないか、とする意見の是非こそが議論の本質だと考える。つまり独身税の是非そのものである。

これは程度問題であって、現在でもその点は児童手当、配偶者控除等である程度配慮されており、それらはそれなりの合意を得ている。
問題はそれをあまりに極端な形で実施してしまうことである。年収500万円で新たに120万円を負担せよというのは常識から言えば極端な部類に属する。

BI導入を検討する際には、決して豊かとは言えない一部の人にここまでの負担を求めたら公平性に反するのではないか、という議論は当然なされるべきであろう。